SPECIAL FEATURE / ロト三部作
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そして伝説は、
受け継がれる。
ロト三部作を振り返る
一人の勇者が歩いた道が、いつしか伝説になる。伝説に憧れた次の勇者が、また新しい道を切り開く。『ドラゴンクエスト』Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、三つの冒険でありながら、長い時を越えてつながる一つの物語でもあります。
この手帖の出発点は、はぐれメタルが好きで取ったドメイン。でも、好きだったのはモンスターだけではありません。初めて見る世界に胸を躍らせ、町で話を聞き、少しずつ遠くへ進んだ、あの冒険そのもの。ここでは、ドラクエの王道として心に残るロト三部作を、もう一度たどります。

メモルのひとこと
「きみが最初に旅立ったのは、どの世界だった?」
この記事は三部作の舞台や物語のつながりに触れます。Ⅲの終盤に関わる大きなネタバレは、後半の見出しより前には書いていません。作品ごとの細部は版によって異なります。
発売順はⅠ・Ⅱ・Ⅲ。
物語の時系列はⅢ・Ⅰ・Ⅱ。
ファミコンで最初に発売されたのは『ドラゴンクエスト』。続いて『Ⅱ 悪霊の神々』、そして『Ⅲ そして伝説へ…』が登場しました。ところが、物語の歴史をたどると、Ⅲの後にⅠ、そしてⅡへとつながります。
| 見方 | 順番 | 楽しみ方 |
|---|---|---|
| 発売順 | Ⅰ → Ⅱ → Ⅲ | シリーズが広がり、つながりが明らかになる流れ |
| 物語の時系列 | Ⅲ → Ⅰ → Ⅱ | 伝説の始まりから、その後の世界へとたどる流れ |
ファミコン版の発売日はⅠが1986年5月27日、Ⅱが1987年1月26日、Ⅲが1988年2月10日。公式タイトル一覧で確認できます。発売順で遊ぶか、物語順で遊ぶか。どちらにも、それぞれの発見があります。
Ⅰ ── たった一人で、世界へ。
物語の舞台はアレフガルド。竜王の脅威に覆われた地で、伝説の勇者ロトの血を引く主人公が旅に出ます。町の人の言葉を手がかりに、装備を整え、少しずつ行ける場所を広げていく。
最初は町の外を歩くだけでも心細い。けれど戦いを重ね、知らない町へたどり着いたとき、世界は確かに広がっている。一人で進むからこそ、一歩の重みや、道を覚えていく喜びが強く残ります。
そして「ロト」という名前は、主人公が受け継ぐ遠い伝説として語られる。その響きが、後に三部作を振り返ったとき、違う深さを持って聞こえてきます。
いまも忘れない、最高レベルの復活の呪文
当時はドラクエに夢中で、Ⅰにいたっては、最高レベルになったときの復活の呪文を覚えてしまうほど遊んでいました。ここに記したのは、運営者が当時の自分の冒険から覚え、いまも自分の記憶から思い出して書き出した呪文です。
ききででふ ほむはあいびぼ うめわせち やうね
ただのパスワードかもしれません。でも、いまでもこの言葉が記憶に残っていることが、どれほど夢中だったかを物語っています。勇者を育て、冒険を重ねた時間が、この文字列に詰まっているように思います。
運営者が当時の記憶として書き留めた呪文です。最高レベルの記憶を含め、実機での再確認は行っていません。
Ⅱ ── 仲間とともに、さらに遠くへ。
Ⅰから100年後。ロトの血を引く子孫たちによって国々が興された世界で、新たな脅威に立ち向かう旅が始まります。ローレシアの王子は、同じ血を引く仲間を探しながら進みます。公式作品紹介
Ⅰでは一人だった旅に、仲間が加わる。戦い方の幅が広がり、海を越えることで世界も大きく開けていく。船を手に入れた後、まだ見ぬ場所へ向かう感覚は、冒険という言葉そのものです。
見慣れた名前や場所に再会するとき、前作の旅は「昔話」では終わりません。自分が歩いた道が、この世界の歴史として残っている。続編ならではのうれしさが、そこにあります。
Ⅲ ── それぞれの仲間と、まだ見ぬ世界へ。
アリアハンに生まれた主人公は、父オルテガの遺志を継ぎ、魔王バラモスを倒す旅に出ます。仲間を選び、職業を考え、どんなパーティで進むかを決める。三部作の中でも、プレイヤー自身の冒険の形が色濃く表れる作品です。
お気に入りの仲間の名前。強敵に苦戦した記憶。偶然たどり着いた場所。たとえ同じ物語を遊んでいても、そこへ至る旅路は一人ひとり違う。その自由さが、何度でも帰りたくなる理由の一つかもしれません。
そして本作の副題は「そして伝説へ…」。最初はその意味を想像しながら進み、旅の果てにもう一度その言葉を思い返す。その時間ごと、Ⅲという冒険の魅力だと思います。
池袋の夜、ドラクエⅢを待った行列
ファミコン版『ドラゴンクエストⅢ』が発売された1988年2月10日。あのときの熱気を、私は行列の中で経験しました。
池袋のビックカメラで買うために、発売前日の夜中から並びました。本当に長い行列で、サンシャインシティのほうまで続いていたと記憶しています。正確にどこまで伸びていたのかは、今となっては確かめきれません。それでも、長い列と、その中で発売を待っていた時間は、はっきり心に残っています。
開店後、ようやく『Ⅲ』を手に入れて家路についたときの興奮は、今でも忘れられません。これから始まる冒険を思いながら帰った道のりも、私にとってはドラクエⅢの大切な思い出です。
あの日の行列は、個人の記憶だけに残っているわけではありません。朝日新聞社のwithnewsの振り返り記事は、1988年2月10日に撮影された購入待ちの列の写真を掲載し、当時のビックカメラ池袋東口店に大勢が並んだと伝えています。また、Sony Musicの1988年を振り返る記事も、発売前日から池袋の店舗に長蛇の列ができたと紹介しています。
行列の経路についてのサンシャインシティ付近という記述は、運営者自身の記憶です。紹介した記事ではその経路を確認できていません。当時の写真はリンク先でご覧いただけます。
メモル「冒険は、家で電源を入れる前から始まっていたんだね」
【ネタバレ】三つの冒険が、伝説になるとき
ここからは、Ⅲの物語の核心に触れます。これから初めて遊ぶ人は、次の見出しへ進んでください。
Ⅲの旅の先には、ⅠとⅡで知っていたアレフガルドが待っています。そして、その地を救った勇者には「ロト」の称号が贈られる。Ⅰで遠い伝説として聞いていた名が、自分の歩んだ旅とつながる瞬間です。
発売順にⅠ・Ⅱ・Ⅲと遊ぶと、最後の作品で、それまで聞いていた伝説の始まりを体験することになります。Ⅰで探した装備、Ⅱで語られた血筋、馴染みのある地名。それらが単なるシリーズのおなじみの要素から、長い歴史の一部へと変わって見えてくる。
時系列のⅢ・Ⅰ・Ⅱでたどれば、今度は自分の成し遂げた冒険が伝説となり、後の時代の勇者たちに受け継がれていく。逆の順番だからこそ見える景色もあります。
メモル「だれかの冒険が、次のだれかの道しるべになるんだね」
もう一度、あなたの順番で。
初めての人は発売順でシリーズの歩みを追っても、Ⅲから物語の歴史をたどってもいい。公式サイトではHD-2D版をⅢからⅠ&Ⅱへ遊ぶことで、三部作のつながりを楽しめると案内しています。どの版を選ぶかも含め、自分に合う旅の始め方を見つけてください。
もう一度アリアハンから旅立ちたい方には、HD-2D版『ドラゴンクエストⅢ』という選択肢もあります。こちらはNintendo Switch用のパッケージ版です。価格・在庫や出品者は販売ページで確認してください。
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ゲームを遊ぶ時間が取れない日には、音楽から旅に戻ることもできます。ドラクエⅢの音楽CDや、攻略本の手帖も、冒険へ続く別の入り口です。
当時、本の中でも冒険の続きを想像した人へ。小説ドラゴンクエストと精霊ルビス伝説の手帖では、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの小説や古い版の探し方を紹介しています。
勇者の名前はプレイヤーによって違っても、歩いてきた道には、それぞれの思い出がある。ロト三部作を好きでいた時間も、これから初めて出会う時間も、きっとその人だけの冒険になるはずです。
HD-2D版Ⅲの紹介を読む ↗参考にした公式情報
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